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| リハビリのため転院 復帰への長い道程 |
発病から入院まで | 救急病院はこんな所 | リハビリのため転院 | 評判の入院患者
本格リハ・PT | 悲願のリハ・OT | リハ病院の四季 | 退院し独り暮らし |
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| ●ニキトの転院準備 |
◆救急病院とは非常識や理不尽がまかり通る異常な空間だ。毎晩ニキトは転院を催促された。
寝たきりの患者がいかにして転院先を探すか?家族や友人知人に情報を求めても限界がある。「もちは餅屋」のMSWが登場する。
◆発病当時のニキトはインターネット未経験で、病院さがしができるとは知らなかった。転院後に友人が『全国リハビリテーション病院...
』なる本を差し入れてくれたが後の祭り。
◆最終的には医師の推す病院に決めたが、医師の世界の特異性には驚いた。ニキトの親戚筋が探してきた転院先への紹介状を担当医は「母校の関連病院以外には書かない」と拒否した。
後で知ったが、転院先は某医大同窓医師の紹介患者ばかりだった。
日本医師会は経済特区での病院の株式会社化に猛反対したが、裏ではとうに学閥による病院のチェーン化に手を染めているのだ。
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| ●MSWとは |
MSW(Medical Social Worker)医療ソーシャルワーカー
保健医療機関に所属し、病気で生じる患者や家族の経済、職業や生活の問題を調整する。
社会保障や福祉サービスに精通している。
脳卒中患者の病後はMSWの腕にかかっている。腕とは情報力と交と行動力。患者や家族に代わって、転院先探しから「障害者手帳」の申請まで世話になることが多い。入院治療費に困窮すれば、生活保護の相談にも乗ってくれる。
「前の病院のMSWが無能で・・」としみじみ語る患者をニキトは思い出す。
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| ●リハ病院の選び方 |
(1)担当医の紹介状がなくても受け入れてくれる病院は多い。
(2)病院情報はMSWからもらうが、MSW相互のネットワークに縛られやすいので要注意。
(3)信頼できる人に現地を見学してもらう。(患者本人が行ければいいのだが・・・)
(4)主なチェックポイントは
□交通の利便性:患者を島流しにしないように出来る限り頻繁に見舞う必要がある(次章「スタッフ受け」参照)。
□医療設備とスタッフ:簡単な手術くらいは出来るのが望ましい。
□訓練設備と広さ:学校の体育館くらいの広さがあれば文句なし。
退院後の円滑な生活のためADL室を念入りにチェックすること。
□経費の詳細:病院側は「**一式」で請求するので、内訳を把握すること。
□スタッフの員数と質:患者の入院生活に直に響く。一度の見学では見極め難いが、スタッフの会話などから判断する。「地元の人はどのくらい入院しているか?」を尋ねると良いかもしれない。
*ADL (Activities of Daily Living) 日常生活動作。
*ADL室:ホームドラマのセットに似ている。排泄、食事、就寝、入浴、などの動作を訓練する部屋。
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| ●1999年11月15日(月) 転院・リハは温泉病院で |
◆「リビリは温泉病院に限る」親戚のこの一言が、ニキトの都落ちを決めた。
転院先のリハ病院は、霊峰富士の頂上がちょっとだけ見えるブドウと温泉の郷にあった。
医師の診察と検査を一通り受けると、用意された車椅子で六人用の病室に入った。
総ベッド数は200。患者の大半は車椅子なので、病院の中は車椅子だらけ。
今度の担当医は、求めずとも「CTでは出血(部位)が小さいので、手は動くようになる」と説明してニキトに希望をもたらした。
入院生活の時間割を婦長(今は師長か?)から伝えられたが、しばらくはメモに頼るほどややこしかった。
隣のベッドには不思議な患者がいた。彼については次章で詳しく述べる。
病室の窓から見えるのは空と緑ばかり。遠景は山。中〜近景はブドウ畑。典型的な盆地の風景だった。
◆翌早朝に採血があったが、その後でベッド柵に寄りかかったニキトは肝を冷やした。ナースは採血時に外した柵を終って戻したが、彼が寄りかかった側は固定されていなかった。もし、勢いよく身体を預けていたら、床に転落していただろう。「アホばかナースはどこにでもいる」とニキトは認識したのだった。
◆増改築した割には段差や勾配が残っていて、車椅子では移動し難い病院だった。厚化粧したハード(建築)面での不備にニキトは眼をつぶらざるを得なかったが、この後ソフト(運営)面の拙さから彼はさまざまな迷惑を経験することになる。
*Kリハビリテェーション病院 専門病床:200床。施設基準:リハビリテェーション総合施設
スタッフ:常勤医師5人 PT:14人 OT:7人 ST:4人 看護師:57人 MSW:2人
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| ●リハ病院とは |
◆ベッド数20以上が「病院」で、未満は「診療所」。
ちなみに500床以上で2倍の医師と1.6倍の看護師を揃えると、「特定機能病院」となる。
◆リハ(専門)病院の法的区分けはない。POやOTのセラピストがいて施設基準に合致すれば「承認施設」と看板に書ける。PTとOTの基準(員数・道具、面積)に合格すれば、「リハ総合承認施設」が名乗れる。これはハード面での基準で、治療技術の評価ではないのでご注意。
◆本格的なリハには広いスペースが必要。地価の高い街中に建設しては赤字になってしまう。そこでリハ病院は郊外へ地方へと移る。
聞きかじり情報では、九州の温泉地での成功が日本中に波及し「温泉あるところにはリハ病院あり」となったとか。ニキトの病院の近くにも3・4あって、患者同士が散歩中に「見かけない顔だな」と思いつつすれ違う。近くで鉄筋六階建の新しいリハ病院が建設中で、ニキトの病院でも(対抗上?)病床増設工事が進んでいた。
温泉の医学的効用は未知数である。
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| ●理学療法科とは |
◆1996年秋から日本の病院で診療科目に「リハビリテェーション(理学療法)科」が加わった。
整形外科、脳神経外科、神経内科、内科、精神科を総合した分野から運動障害と脳機能障害患者の治療にあたる。歴史は浅いが、学会があり認定医制度もある。
◆あまり知られていないが、医師は「標榜自由の権利」を持っているので、医師免許さえ取得すれば、好き勝手に「**科」の看板を出せる。患者側から見れば、迷惑で危険な話ではある。
自動車の運転免許には更新時のチェックがあるが、医師免許にはそれがない。さらに驚くことには、医師の国家試験はなんと「マークシート方式」なのだ。
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